時代への視点  
第179号
 稲城市長石川 良一

野沢温泉村宿泊体験学習に参加して('07,09,01)

 国では、内閣総理大臣のもとに設置された教育再生会議や文部科学省に常設する中央教育審議会において、教育についての様々な議論が進められています。「ゆとり教育をどう評価するか」などは議論が分かれるところですが、今の子供たちに自然体験や生活体験が乏しくなっていることの弊害は皆が認めるところです。
 稲城市教育委員会では、昨年初めて長野県野沢温泉村の皆さんと提携して小学6年生は夏に4泊5日、中学1年生は冬に3泊4日の宿泊体験学習事業をスタートさせました。野沢温泉村はスキーのメッカとしてよく知られており、スキーのジャンプ台も造られています。1998年には長野冬季オリンピックのバイアスロン競技会場にもなりました。また、2008年の冬の国体の会場となることも決定しています。ただスキー客は減少傾向にあり、年間を通じて村への来訪者の確保を考えた時、都会の子供たちの宿泊体験学習の誘致は新しい試みといえます。
 今年3月には、河野(こうの)野沢温泉村村長と宿泊体験学習の実行委員会の皆さんに稲城市を表敬訪問いただいたこともあり、子供たちの現地での様子をこの目で確認するため、平成19年7月24日に野沢温泉村を訪問いたしました。まず、子供たちがテントで2泊する村から車で30分程の所にある巣鷹湖畔のキャンプ場を訪ねました。ちょうど夕暮れ時で、プロの演奏家によるコンサートが行われており、うっすらとした霧の中で幻想的なフルートの音色を一緒に楽しむことができました。また夜空の満天の星の美しさは、筆舌に尽くしがたいほどでした。稲城市にもキャンプ場がありますが、こちらの夜はかなり冷えこみ、環境の違いを実感しました。
 翌日は実行委員会の方々が用意してくださった「稲城の森」でブナの植林を行い、その後約2時間かけて野沢温泉村まで子供たちとトレッキング(山歩き)を行いました。少々バテぎみの子もいましたが、みんな元気に13カ所の温泉めぐりなどを楽しんでいました。
 親元を離れてのテント生活と民宿での家族的な生活体験は、たくましい子供を育成する小さな一歩ですが、確実な一歩といえるでしょう。河野(こうの)村長とは連携を誓い合って、固い握手を交わしてきました。
 

時代への視点 No,179('07,09,01) 


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