時代への視点  
第173号
 稲城市長石川 良一

迷走する国のリサイクル対策 ('07,03,01)

 私は全国市長会社会文教委員長を務めていることから、平成16年から平成18年まで1年半にわたって環境省の中央環境審議会廃棄物リサイクル部会に委員として参加し、容器包装リサイクル法(容リ法)の改正について発言してきました。この審議会の中で分別収集・選別保管された、びん・缶・ペットボトルなどを事業者に渡すまでに、全国の自治体の負担が3,000億円を超えていることが明らかになりました。また、リサイクルを進めれば進めるほど、市民の税金を一方的に投入する「リサイクル貧乏」状態にあることも分かりました。
 今回の容リ法の改正に当たっては、自治体が負担しているリサイクルコストを生産者側の責任で負担すべきと主張しましたが、受け入れられませんでした。それに代わって、事業者がペットボトルなどのリサイクルコストを効率化できれば、その2分の1を自治体に配分する仕組みになりました。しかし、これではわずかな費用しか自治体には還元されません。上流の生産者が、下流の自治体に過重な負担を強いることのない改正が求められましたが、頓挫(とんざ)してしまいました。
 一方、法制定から5年が経った家電リサイクル法の改正議論が、環境・経済産業両省の中央環境審議会・産業構造審議会の小委員会で進んでおり、この審議会にも私が出席しています。家電リサイクル法では、消費者が家電4品目を廃棄する段階でリサイクル費用を負担する後払い方式をとっています。しかし、法律に基づかずに処理され、輸出などされているルートは全体の50%近くを占めており、不法投棄も平成17年度では150,000台あり、この処理費用は自治体が全額税金で賄っているのです。
 これらの課題を解決するためには、消費者が家電製品を購入した時点でリサイクル費用を前払いすることが必要です。しかし、審議会の議論が容リ法改正と同じように、生産者側の流れになりつつあります。生産から廃棄処理まで、責任を一貫させる拡大生産者責任の考え方に基づく制度改正を強く望んでいますが、結論は今年の夏以降に延期されてしまいました。大いに注目してください
 

時代への視点 No,173('07,03,01) 


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