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武術家甲野善紀氏の身体技法に注目! ('06,10,01)
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私は市内で空手道の全国大会を主催するなど、空手という武道を今も追い続けています。そんなこともあって武術家甲野善紀氏の存在には、7年から8年前から著書を通じて特別な関心を持っていました。また氏の道場が多摩市蓮光寺に在ることも聞いていました。甲野氏は、伝統的な武術の研究を通じて身体技法をあみ出し、現代のスポーツや介護技術などに応用するための努力をしてきた稀有(けう)な存在と言えます。
野球の桑田選手は甲野氏の考え方に早い時期から接し、投球術にも応用してきたことは良く知られています。また私立桐朋高校のバスケットボール部が、進学校で特にスポーツに力を入れていたわけでもないのに、甲野氏の身体技法を導入して全国大会進出を果たしたことも本になって紹介されています。更に日本の陸上競技短距離界のエース末続慎吾選手も、伝統的なナンバ走り(同じ側の手足を同時に出して移動する走法)を応用しているなどとも言われています。 その甲野氏を、「古武術とクオリオ」というテーマで、NHKの司会などでもおなじみの東京工業大学大学院教授(脳科学・認知科学専門)の茂木健一郎氏との対談の席で、直接拝見する機会を得ました。甲野氏から、「科学者からは、科学的トレーニングの名のもとに間違ったウエート・トレーニングなどが推奨され、怪我(けが)をしている人も多い。科学者自身が、科学が万能ではないことを表明すべき」との厳しい指摘に始まり、2時間半にわたって対談が行われました。また甲野氏自身によって、参加者を被介護者に見立てた介護の実演も行われました。 甲野理論は、人を起き上がらせるという行為でも、手や腕の力だけでなく、全身の筋肉を参加させるという技法によって、力を最小限にした介護技法と言えます。武術である由縁は、命を賭けたぎりぎりの闘いの場で、火事場の馬鹿力を出す時のような体の動きから練り上げられているように思えます。 言葉だけで理解していただくのはなかなか困難ですが、介護法の解説書も出されています。鍼灸(しんきゅう)などの東洋医学の導入を進める統合医療にも通じる、伝統の中に新しい身体技法を創り上げる甲野氏に大いに注目を! |
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