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耐震強度偽装マンション問題では、稲城市は特定行政庁ではなく建築確認事務に関与しておらず、マンションの建て替え費用などを負担する根拠が法的にも道義的にも無いということを、発言し続けてきました(2月1日号当コラムを参照)。しかし、国のマンション購入者に対する救済のスキーム(方法)は、すでにある「地域住宅交付金制度」に基づいて行うということで、東京都と稲城市で全体の2分の1を負担しなさいというものでした。都は、稲城市が負担をすることについて、再三再四強く要求してきましたが、根拠がないということでこれを拒否してきました。
しかし、最後には石原都知事の判断を仰ぐことになり、「自分が稲城市長であったら同じ判断をする」という一言で、都が自治体分全額を負担することで決着しました。
現在、再建に向けた検討会が居住者、東京都、稲城市との間で進められております。この中で市としてできる支援については積極的に進めて、一刻も早い決着を望むものです。しかし、国の「地域住宅交付金制度」は、建物全体の建設に補助をするというような制度ではなく、マンションのエレベーターや廊下などの共用部分の工事費に対して補助をするという、限定されたものなのです。1戸当たりの床面積を27%ほど減らしたとしても、今までの住宅ローンに更に2千600万円程度の追加負担を求められるとされており、偽装マンション問題の被害者が、果たして本当に負担しきれるかという疑問が残ります。今後は国や自治体の責任を明確にし、特別措置法の制定が必要になってくる事態にならざるを得ないのではないかと思っています。
グランドステージ稲城クラスの延べ床面積を有する建築確認申請手数料は、15万円ほどだそうで、車一台分の車検の費用と大差ありません。この費用のことだけとってみても、分厚い建築確認の申請書類をどこまで適正に審査できるか大いに疑問が残ります。JR西日本福知山線の脱線事故やライブドアの株の偽計取引にも共通する「安全とコンプライアンス(法令遵守)をどう実現するのか」という問題への処方箋(せん)を描くには、かなりの時間と議論が必要なことだけは確かなようです。
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